お勧めデスティネーション/タタルスタン共和国のカザン(前編) 

カザン 
ロシア正教とイスラム教が並存する町/前編

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モスクワから東に800km行ったところに、タタルスタン共和国の首都カザンがあります。
ヴォルガ川沿いに位置するこの街は、1000年以上の歴史を誇る100万都市。

現在でも人口の半分以上がイスラム教徒のタタール人という、独特の文化をもつカザンを2回に分けてご紹介します。第1回目の前編は、カザン・クレムリン。

歴史
10世紀~13世紀、この一帯はヴォルガ・ブルガールというイスラム教徒が勢力を誇っていましたが、13世紀にモンゴルのキプチャク・ハン国の支配下に入ります。そして15世紀初頭、キプチャク・ハン国が分裂、カザンを首都とするカザン・ハン国ができました。
しかしその繁栄も100年ほどしか続かず、1552年、ロシアで勢力を拡大しつつあったイワン雷帝にカザンは征服されました。

以降、ロシアの一地方都市として、発展していきます。ロマノフ王朝時代には、ヴォルガ川のダム建設、カザン大学の設立、印刷所などがつくられました。ソ連時代には自治共和国が設立され、タタール人の文化・言葉が復興されました。

現在、カザンでは全員がロシア語を話しますが、タタール人の間ではタタール語が使われており、街中の標識も、ほとんどロシア語・タタール語の併記となっています。
タタール語で上演が行われる演劇専門の劇場もあります。
ロシア語とタタール語が併記してある標識
3ヶ国語併記の標識。
WC、SOUVENIRは上からロシア語、タタール語、英語


カザン・クレムリン
11世紀にヴォルガ・ブルガール人たちによって最初につくられたといわれる、カザンのクレムリン。イスラム教徒の彼らがつくったのは、もちろんモスクでした。
16世紀半ばイワン雷帝にこの地が征服された後、クレムリンのモスクは破壊され、17世紀に入りロシア正教の教会ブラゴヴェシェンスキー聖堂と鐘楼がクレムリン内に建てられました。

1995年にクレムリンにモスクを再建さすることが決定され、2005年、ちょうどカザン建都1000年にこのモスクが完成。

今はクレムリン内に、ロシア正教会とモスクが立ち並ぶ、世界でも稀にみる貴重なスポットです。(2000年にユネスコの世界文化遺産にも登録されています)。

クレムリン全景
モスクで一目で「カザン・クレムリン」とわかる外観

クレムリン通りからみえるスパスカヤ塔
スパスカヤ塔
スパスカヤ塔

16世紀に入ってから建てられたロシア正教の塔ですが、幾度かの修復を経て、今はイスラム教の建築と融合した、エキゾチックな白い塔となっています。
クレムリン内の案内図。非常に広大な敷地であることがわかります。
クレムリン案内図
クレムリン案内図

クル・シャリフ・モスク
カザン・クレムリンのシンボルともいえる、トルコブルーの屋根をもつモスク。その美しさにはただ溜息しかでてきません。
ブルーが美しいモスク
ブルーが美しいモスク

モスク入口「クル・シャリフ」と書いてあります
モスク入口「クル・シャリフ」と書いてあります

現在でもイスラム教徒が礼拝に訪れており、私が訪れたときは結婚式が行われていました。内部撮影は禁止されているので、残念ながらご紹介できませんが、息を呑むほど美しい内装です。

ブラゴヴェシェンスキー聖堂
ロシア正教の支配下に入った16世紀後半に建てられた正教会。モスクのトルコブルーとはちょっと違って、少し淡いブルーの円屋根をいただく、典型的なロシア正教の聖堂です。中も荘厳な雰囲気。
ブラゴヴェシェンスキー聖堂
ブラゴヴェシェンスキー聖堂

シュユンビケ塔
建設されたのは、ロマノフ王朝に入ってから(つまり17世紀から18世紀初頭)といわれていますが、詳しい記録は残っていないそうです。
この塔は、カザン・ハン国最後の王妃シュユンビケが、身投げをしたことから、現在「シュユンビケ塔」と呼ばれています。
シュユンビケ塔
シュユンビケ塔

ピサの斜塔ほどではありませんが、かすかに傾いていますね。
この塔も、その謂れもあり、カザンのシンボルのひとつとなっています。

現在のタタルスタン共和国大統領府
大統領府
大統領府

クレムリンを囲む堅固な城壁
城壁
城壁

さあ皆さん、いかがでしたか?モスクワのクレムリンとは一味も二味も違います。同じロシア国内にある都市とは思えないですね。次回後編では、カザンの街並みや、食べ物、お土産などについてご紹介いたします。お楽しみに

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