チェーホフ生誕150年、そして ウクライナ(前編) 

チェーホフはイケメンだった
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メガネの奥には優しいまなざし、背が高くスマートな容貌は今日ならば正にイケメン、若い女性たちの追っかけもそれは大変なものであったというチェーホフ、皆さんはその作家チェーホフをご存知でしょうか。
例えば「孤独が怖ければ結婚をするな」(チェーホフの手帖より/ 神西清 訳)というような簡潔ながらも含蓄のある表現に興味を持たれている方もいるかもしれません。
或いは、「犬を連れた奥さん」、「ともしび」を始めとした数多くの中短編小説や「タバコの害について」、「かもめ」、「ワーニャおじさん」、「三人姉妹」、「桜の園」といった戯曲の面白さにとりつかれた方もいることでしょう。
チェーホフの胸像(ヤルタのチェーホフの家)
チェーホフの胸像(ヤルタのチェーホフの家)

追っかけ女性の一人から贈られた犬の置物
追っかけの一人の女性から贈られた あまり可愛くない犬の置物。
ヤルタにあるチェーホフの家、玄関のドアを開けると右手に見えるが、
チェーホフもすぐにこの置物のことを忘れてしまい、
家に入る毎に暗がりの脇に置かれた犬にギョッとしたと言われています

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若き頃から苦労を背負い、人間のおかしみ、悲しみ、狡さを、鋭い観察力を持って冷静な眼差しで描き、ユーモアを漂わせた洞察力に満ちた作品の数々を残したアントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ。医者としての面倒見の良さ、思いやりの深さは人一倍ながら、持病の結核には勝てず44歳で世を去ったこのロシアの作家は、今からちょうど150年前の1860年に生まれました。
20代30代で読んで得た印象もさることながら、私は、この作家よりもさらに長生きをして作品を読み直してみた時に感じたことがあります。チェーホフの作品は、どのような世代であろうとも、向き合った者が得られるのは、その歳に応じた感慨に違いありません。
左右非対称の家
チェーホフの家・外観。
当初、建築家は左右対称の建物を思い描いていたようでしたが、
人生はスムーズではなく起伏のあるものというチェーホフの考えで、
対称形をくずしたスタイルにしたそうです


造園に力が注がれたのがわかる
「僕は作家になっていなかったら庭師になっていた」 と言う
チェーホフだけのことはあり、その庭の中心を流れるせせらぎ、糸杉、
椰子、ユーカリといった南国の木々、白樺やポブラ、桜、そしてバラ、
という造園にかける力の入れようをうかがい知ることが出来ます

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チェーホフ記念の年とあって、書店ではその翻訳作品が書棚に目立ち始めていますが、ちくま文庫、岩波文庫、新潮文庫で読むことの出来る中短編小説のお薦めは、松下裕氏の翻訳です。日本では、幾つかの偏った情報が、かの国の一般の人たちの暮らしについての理解を歪めていたと言える40年以上昔のソ連邦の時代、松下氏は、モスクワのプログレス出版社に勤めることとなりました。その娘さんの友子ちゃんがロシア人の中に入って通っていた幼稚園、小学校での生活は「さよならモスクワの小学校」(松下友子著、筑摩書房、その後中公文庫)、「子供のモスクワ」(松下恭子著、岩波新書)に生き生きと描かれて、ベールに包まれた壁の向こうということで外からは画一的にとらわれがちであったロシアの人々との関わり、その人間味豊かな市民生活の紹介がなされたものでした。
私は、当時そのご家族と知り合う機会を得て、30年前には裕氏とモスクワ・オリンピックのサッカー決勝戦を共に観戦するなどしておりました。
その松下裕氏が日本に帰国して後、1980年代後半にチェーホフ全集個人訳を成し遂げて筑摩書房から出版、本年80歳を迎える今日に至るまで自身の翻訳に加筆し磨きをかけて、手軽にチェーホフを手に取ることが出来るように文庫本を次々と出しているのです。その訳文はチェーホフの原文の美しさに迫る見事な成果であり、氏のロシアでの長年の生活経験が滲み出ていると言えます。皆さんも、ぜひ、松下裕氏の訳で、チェーホフの作品に触れてみてください。

松下裕さん訳のチェーホフ作品はこちら!



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さて、話をチェーホフ自身に戻しましょう。チェーホフの足跡を辿ろうと思ったら、ウクライナははずせません。ウクライナでありながらロシアの歴史と文化の発祥の地である、首都キエフ、そして、チェーホフが晩年をすごした黒海の保養地ヤルタを旅する際は、是非チェーホフに思いを馳せて頂きたいものです。次回後編では、皆さんがウクライナにお出かけになる際のご参考になるよう、お勧めの日程をご案内したいと思います。

 

チェーホフとウクライナについて書いた人/アリョーシャ /東京オフィス



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